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細菌性髄膜炎は脳や脊髄を包む髄膜に細菌が侵入し、炎症を起こす病気です。
小児がかかると、早期に診断して治療を開始しても十分な治療効果が得られず、
いまだに死亡率が5%、後遺症が30%です。
特に乳児期、中でも6ヶ月未満で重症化することが多く、小さなお子さんを持つお母さんにとって、最も怖い病気のひとつです。
細菌性髄膜炎の原因となる最近の60%がインフルエンザ菌B型(ヒブ)、30%が肺炎球菌とされます。
ちなみにヒブは、インフルエンザと言っても冬に流行するインフルエンザウイルスではありません。
これらの感染を予防するものとして、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンがあります。
海外ではヒブワクチンは約20年前、肺炎球菌ワクチンは約10年前からそれぞれ公的な予防接種として導入されています。
海外での早期導入に対し、日本では導入が遅れ、大きな問題となっていました。
ポリオの生ワクチンが不活化ワクチンになかなか切り替えれなかったのと同様に、
行政の対応の遅れに対し、いらだちや怒りを覚えた臨床家も多かったと思います。
2ワクチンの定期摂取化はポリオワクチンのときと同様に、髄膜炎で子供を亡くしたり、
重い後遺症に苦しんだりしている患者さんの家族や小児科医の活動が大きな役割を果たしたと思います。
ヒブと肺炎球菌の2ワクチンは、平成23年度の補正予算で接種費用の助成が決まったあと、昨年4月にようやく匡の定期接種として導入されました。
既にその効果が表れています。
ワクチン導入前のデータと比較すると、ヒブによる髄膜炎は9割、菌血症を伴う非髄膜炎は8割とそれぞれ大幅に減少しています。
肺炎球菌はさまざまなタイプの菌があり、ワクチンは全部をカバーしているわけではない為、ヒブほどの減少を示していません。
それでもワクチンがカバーするタイプの肺炎球菌の割合は大幅に減少しています。
昨年11月から、それまでの7種類から13種類の菌をカバーするワクチンに変更され、さらに効果が期待できます。
細菌性髄膜炎で重症化するのは乳幼児早期に多く、出産後の早い時期でのワクチン接種が重要です。
2ワクチンとも生後2ヶ月以上7ヶ月未満の乳児に3回接種することが推奨されています。
妊娠中、または出産したばかりの人は2ヶ月の月誕生日が来たら出来るだけ早目に2ワクチンの接種をお勧めします。
武蔵国分寺公園クリニック院長 名郷直樹先生。
ワクチンは最近HPVワクチンやポリオの副作用問題の影響で、毛嫌いするお母さん達もいると思います。
打った後の効果、対価、安全性を確認することで、予防の為の対策はとりたいものです。