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全摘と温存の一番の違いは残っている乳腺の量

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44歳女性です。
非浸潤乳がんと診断されて手術予定ですが、全摘か温存(部分切除+放射線治療)か悩んでいます。
どちらも余命は変わりないと聞きましたが、手術後の局所再発が心配です。

再発したら全摘か否かで差は有りますか?
温存後の再発が浸潤癌であった場合、全摘して化学療法が必要となる可能性があるのなら最初から全摘したほうがいいと感じてしまいます。

非浸潤乳がんで全摘か温存かで悩む

全摘と温存の一番の違いは残っている乳腺の量です。
初期治療をすり抜けた最初のがんが出てくる局所再発のみでなく、温存乳房内にできる新しい乳がんも有り、 そちらを考えると残っている乳腺が多い温存術では割りあいが高くなると言えます。

しかし放射線治療をすることでそれらを低くすることができます。
また、がんができた場合のは切除や適切な治療をすることで生存率は変わらないことになります。

全摘でも非常に稀ですがどこかに乳腺が残っていたり、副乳に乳腺があったりしてそこから新しく乳がんが出てくることも有ります。
少しでも可能性を減らしたいという意味では乳腺が残る可能性が低い全摘のほうがより低いと言えますが、医学的にはどちらも推奨される治療です。

すっきりしたいからと全摘を希望する患者さんもいる一方で、せっかく残せるなら残して結果としてよかったと喜ばれる方も多いです。 どちらも十分理由が有ると思います。

全摘には美容面・メンタル面以外でのデメリットは?

取る範囲が大きい分、侵襲(体の負担)は多少大きいです。
乳房全体がなくなることによる体のバランスの変化も見られることがあります。
上肢の運動性(腕の上げ下げなど)は術後に胸が突っ張る時期にはしにくいことがありますが、基本的には普通に動かせるようになります。

平成30年1月30日産経新聞生活覧の癌電話相談より。