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長崎に住む40代女性がそのウイルスへの感染を知ったのは長男を身ごもった22年前の妊婦検診のときだった。
血液検査で白血病のウイルスが見つかりました。
母乳を通じて赤ちゃんに移る可能性があります。
何のことかわからずポカンとした。
感染したのはHTLV-1というウイルス。
発症する確率は高くないが、成人T細胞白血病(ATL)という重い白血病の原因となる。
九州を中心とした西日本に感染者が多く、長崎県は全国に先駆け、1987年から全妊婦のウイルス検査を始めていた。
主に母乳や性交渉、輸血で感染し、全国民の約1%にあたる、108万人が感染していると推測される。
成人T細胞白血病(ATL)や脊髄麻痺が徐々に進行してあるきにくくなるHTLV-1関連脊髄症(HAM)、目の炎症が起きるHTLV-1関連ぶどう膜炎(HU)の原因となる。
生涯にATLは5%程度、HAMは0.3%程度の発症率で、感染から発症までは40~60年程度かかるとされる。
生後半年以上、母乳を飲ませ続けた場合、感染率は15~20%とされる。
感染を減らす為、母乳を①全く与えない、②3ヶ月で断乳、③一度凍結して与える、などの対策が知らされる。
感染率は低いと感じ、初めての子に母乳の栄養を与えたかった女性は授乳し続けた。
しかし不安は募り、2年後に生まれた次男には一切与えなかった。
親戚や近所の人たちは、悪気なく、なぜ母乳をのませないの?母乳がでないの?と聞く。
悔しい思いで、白血病のウイルスがあるから飲ませられないと繰り返した。
だが、その後は特に気にすることもなく年月が過ぎた。
HTLV-1は感染力が弱い為、日常生活ではまずうつることはない。
2010年冬、足の甲が痛み、陰部や鼻の粘膜が炎症を起こしたときも、まさかこのウイルスがのせいだとは思わなかった。
近所の整形外科を受診し、レントゲンをしても異常なし。
血液検査で白血球の数値が高かった為、ハッとしてHTLV-1のキャリア(感染者)なんですと伝えたが気にもされなかった。
さらに大きな総合病院にかかりMRIをなど詳しい検査を受けたところ、骨髄が腫れていると指摘された。
そこで再びキャリアであることを伝えると、医師が血液内科に連絡をとった。
血液内科の医師は、白血球の一部が異常に変化している血液検査の結果を見て、明らかにATLを発症していますと告げた。
頭が真っ白になった。
自分がまさかなるはずないと思っていたのに、涙が止まりませんでした。
読売新聞2014年1月21日くらし欄より。
この病気は知りませんでしたね。発症まで40~60年かかり、感染したら一生キャリアのままでしかも感染力は弱い。
今後とリスクがわかりにくいなとも思いました。1%~ぐらいがキャリアだそうで、自分が感染している可能性も0ではありませんから…